認知症が回復する施設・建築の設計を目指して!

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庭のある空間の効用―1


美しい庭のある住まい。嬉しい生活の空間です。

近年、有料老人ホーム・高専賃など、高齢者の施設・住宅では、豊かな生活環境の整備が目指され、病院の様な無味乾燥な空間では無く、アメニティある建築がつくられています。

その為、美味しいごはんが食べられる洒落たレストラン(食堂)とゆったりしたロビー、居心地の良い個室などは当たり前になってきました。反面、デザインされた建築だけでは、入居アピールとなる差別化が難しくなっているのも現実です。庭にまで配慮した施設はまだ多くは有りません。

快適な環境は、室内だけに求められているのでは無く、屋外空間も日常的に接する大切な生活環境です。老人ホーム・高齢者住宅に入居する前の入居者さんは、室内にこもっていた訳では無く、外に出、近くを散歩し、自然に接し、自宅の庭の手入れを楽しんでいたはずです。美しい・楽しめる庭は、入居者にも、家族にも、そして介護スタッフにも喜ばれ、望まれる環境です。

入居者さんは、四季を感じる庭の美しさや、自然の色・音を感じる事で心を癒され、散策を楽しむ事で、運動になり、園芸などを通じてリハビリテーションを行います。

心に負荷の掛り易い家族や介護スタッフにとって、庭に出て一緒に散策しながらの会話であれば重たい話も、心にダイレクトに受け止めずにすみます。会話が成立しない入居者さんとも、美しい樹・花を共に眺め、散歩し、時間と感情を共有できる事は、家族にとって掛け替えのない喜びとなります。

私がデザイン・設計に携わった、サンシャインヴィラ・つくば倶楽夢の庭を参考に、如何なるデザインが高齢者施設の庭として、良いのか、数回に渡って記して行きたいと思います。

(高齢者住宅新聞 庭で入居者満足度向上 第1回コラム より  小木野貴光 著)


株式会社小木野貴光アトリエ一級建築士事務所


 

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